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三心四修ともうすことのそうろうはみな、 決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと思ううちに こもりそうろうなり(一枚起請文 法然上人)

 

三心四修は、往生・成仏のために備えるべき心構えと行動です。内容(文末)を見ますと、「そりゃ~これが実践できれば、成仏も遠からじ」と思える内容です。一つ一つはそれほど難しくなさそうなのですが、いざそれを全部ずっと実践せよといわれると、なかなかに難しい。

法然上人は遺言である一枚起請文の中で、

三心四修といったようなことは、南無阿弥陀仏を唱えて往生しようと思えば、みなそこに含まれるものだ。
と喝破します。さらにすすめて、南無阿弥陀仏と唱えているうちに、三心四修というようなことも自ずと備わってくると言っているわけです。

現代社会では、約60%の方が無宗教であるとアンケート調査では答えています。信仰を持つことを道心、あるいは発心(発菩提心)といいますが、この調査結果から分かるのは、発心することが非常に難しい時代にあるということです。発心することが不要、つまり「苦」から逃れたいと思ってしまう環境自体がなくなっていれば、それに越したことはないのですが、毎年2万以上の方が日本では自死しているように、依然多くの方が悩み、苦悩されています。

南無阿弥陀仏と唱えたからといって、この苦からいきなり解放される、阿弥陀仏が奇跡を起こしてくれるようなことは残念ながらありません。しかし法然上人が実践的に解き明かしたのは、南無阿弥陀仏と唱えるうちに、自然と心が落ち着き、行いも備わってくるという阿弥陀仏の計らいです。

確かに、南無阿弥陀仏と口にすること自体、すでに発心していると考えるべきかもしれません。そう考えると、そのような環境に今自分がいること、その因果に感謝し、一歩進んでお念仏を日課とされてはどうかと思います。

合掌

副住職

 

三心

至誠心:真心。疑いなく信じる心
深 心:深く念仏を信ずる心
回向発願心:日々の様々な善行・徳行も往生のためと思う心

 

四修

恭敬修:尊敬し慕う姿勢
無余修:集中して行う姿勢
無間修:積み重ね、長く行う姿勢
長時修:継続する姿勢