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これも師匠から渡された一冊。
建築家の団紀彦の曾祖父さんの話が出ている。とのこと。

大川周明や北一輝は知っていても、井上日召を知っているのはどれほどいるだろうか。5.15事件や2.26事件に先立ち、井上準之助や団琢磨を暗殺した血盟団。その実体は農漁村の窮乏を憂い、昭和維新を目指した農村の青年達である。法華経の指導者であった日召は、次第に現状に不満を持つ農民、帝大エリート、陸海軍人の中心となっていく。犬飼内閣にて荒木貞夫が陸軍大臣に就任し、陸軍一派がテロを躊躇するなか、5.15事件に先立つテロを起こす。
あとがきには、この時代と現在が重なり合うとの著者の言葉があるが、不満の根本が異なる気がする。当時の貧困と現在の貧困は比べものにならない。しかし社会が変化するスピード。特に農村封建社会から都市社会への変化スピード。海外との関係拡大のスピードは、相対的なものと考えると現在と大して変わらないのではないか。血盟団事件(5.15事件)後、政党政治が復活することなく終戦を迎えたことからは、学ぶべきものがあるように思う。


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