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この週末、境内の古代蓮の花が見頃を迎えました。蕾もおおく、しばらくは見頃が続くかと思います。参詣のおりには、是非ご覧ください。

蓮はインドが原産で、そこから世界中に広がりました。お寺の蓮は行田の古代蓮の子孫ですが、古代蓮は約1400年から3000年前の地層から出土した種が発芽したもので、場合によっては仏教伝来より遙か以前に日本にたどり着いた蓮の子孫を我々は眺めているわけです。

蓮は泥池で清浄で美しい花を咲かせるため、この世における仏の智慧、慈悲の象徴として仏教では大切にしてきました。
お釈迦様は最初、自分の姿を模って像を作ることを禁止します。ですから、初期の壁画や仏画を見ますと、仏様がいるはずの場所に蓮の花や法輪が描かれていたりします。仏教やキリスト教も、イスラム教も仏や神の姿を像にすることを当初禁止しましたが、今でもちゃんと守っているのはイスラム教だけですね。
お釈迦様が亡くなって200年程たった頃、マケドニア(ギリシャ)のアレキサンダー大王が北インドに攻め込みます。これによりギリシャ系のヘレニズム文化とガンダーラ文化が融合し、仏像が作られるようになりました。

観無量寿経というお経には、極楽浄土で蓮の花が咲き誇り、阿弥陀様が蓮の台に座っておられる様子が描かれています。また極楽に転生する、つまり極楽往生する時は、まずは蓮の蕾の中に生まれ、花が開くことで極楽に生まれ変わる様子が描かれています。

池の一面に咲き広がる蓮の花に、先人たちはこの世の極楽を見、その感動を経典や仏様の姿に映したのだと思います。
そのような先人の姿に思いをはせるのも、蓮の花の楽しみ方の一つでしょう。