物理学の真理と仏道

先日、飛行機中で「メッセージ」という映画を見ました。原題は「Arrival」。まさに異星人の到来を描いた映画です。この映画のテーマは、今の時代を反映して、異文化・異文明の接触と衝突を描いていますが、面白かったのはその内容が最新の物理学の理論を踏まえている点です。例えば時間。私たちのほとんどは、時間は過去から未来に流れていると考えていると思いますが、そうではなく未来から現在に向かって流れているとしたら。未来を知る異星人は、未来に起こる事態の因を作るべく、空間を越えて私たちに会いにやってきます。そういえば、「インター・ステラ」、クリストファー・ノーランが監督、ハンス・ジマーが音楽を担当したイカした映画でしたが、この映画でもやはり最新の空間や時間の考え方が採用されています。

よく考えて見ますと、仏教に出てくるお浄土や天眼通(未来や他の時空にある世界を見通す力)などの神通力も、あながち物理学にかなったものなのかもしれません。
昨年、ミャンマーの瞑想センターでヴィパッサナー瞑想をかじってみましたが、瞑想とはまさに内側への観察を通じて真理を探究する行為であることが強調されます。物理学も自然真理の探究という意味では同じなのですが、このところの物理学の進展を見ると、釈迦の観察を通じた真理探究と物理学が交差する日がそう遠くない気がしました。

 

副住職