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8月に入りました。今朝は6時からお盆の入りのお勤めということで、檀信徒約30名方々と共に本堂で手を合わせました。
お盆は盂蘭盆経というお経に書かれた行事ですが、7月15日、安居の最後の日に修行僧全てに供養すれば、餓鬼道に落ちた母親にもその供養が届き救われるという内容になっています。雨期と乾期がはっきりしたインドでは、雨期になると花々が芽吹き、それを目当てに昆虫や鳥、動物も活発に動くようになります。それを踏みつけたりして不用意に殺生しないようにと、修行僧は托鉢なども控え、寺に籠もって修行に打ち込みます。この期間を安居(あんご)と言います。インドでは雨期に当たる4月15日から7月15日の三ヶ月が雨期で安居にあたり、7月15日が安居明け、つまり解夏となります。
旧暦での7月15日は現在の8月後半になります。ですので、元々は夏の盛りの少し農作業も楽になる時期にお盆はやられていたわけですが、明治になって暦が新暦になり、農作業とあまり関係がない都会ではお経通りの7月15日、農村部では季節的にあった8月15日にお盆をやるようになりました。

龍蔵寺でも、都市部の檀信徒にお盆は7月と考えられている方もおられ、7月1日にお盆の入り、盆施餓鬼の木札魂入れの法要を行い、8月1日にも旧来通りのお盆の入りの法要を続けています。

 

さて、以下は両法要での副住職の挨拶になります。

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今年も無事、盆施餓鬼の木札魂入れの法要を迎えることができまして、檀信徒・世話人の皆様には篤く御礼申し上げます。今年から住職に代わりまして、副住職が導師を務めさせて頂きます。御利益が幾分下がる気が致しますが、そうならないよう努めたいと思います。

今年は平成三十年という区切りの年でもあり、また平成最後、来年は新たな元号でお施餓鬼を迎えることになります。そういう意味でも、時代の大きな節目ではないかと思います。

お施餓鬼は自分の健康と長寿を願い、お盆はご先祖様、特に母親の恩に感謝し供養する行事です。共に餓鬼を供養すれば救われるというところが共通しており、日本では夏のお寺の行事として定着してまいりました。餓鬼はものを惜しむ、貪る心の象徴ですが、心が満たされず救いを求める人々の姿でもあります。このお盆お施餓鬼の行事は、そういった人たちに手をさしのべることが、自分たちの健康や長寿、またご先祖様の供養、つまり幸せになるには必要であることを教えてくれているのだと思います。

二年前には熊本で地震があり、今年は大阪でも地震がありました。また、新聞を読んでおりますと、本当に痛ましいニュースが毎日のように目に入ります。自分として何ができるか、改めて考える機会となれば、盆施餓鬼も一層意味あるものとなるのではないかと思います。

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