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東武伊勢崎線、日光線古地図さんぽ

というのが本屋で売っていたので手に取りました。加須はあるかなとパラパラとめくってみるとちゃんとあります。数ページにわたって明治以降の加須駅周辺の地図が収録されていて龍蔵寺もちゃんと載っています。

  ↓ これですね。

明治のころの龍蔵寺の地名を見ますと「鬼島」とあります。むむ? 龍蔵寺は元々利根川が3つに分かれて中州になっているところにできた、なので三俣・・・というような話は聞いていたのですが、鬼島という地名に違和感を感じたので住職に聞いてみると、「そうですよ。山門の裏側の額にも『鬼島』って書いてあるでしょ」との答え。「龍蔵寺の歴史」を改めてめくってみると、ちゃんと三俣になったところの二つの島が「鬼島」と「明知島」だと書いてある。迂闊でした。

山門の裏側(境内側)の額も確かに「鬼島」と書いてあります。
大体、「鬼」というような恐ろしい漢字のついた地にろくな所はなく、龍蔵寺の縁起にも、鬼島にいた怪物退治を頼まれた教蔵上人か庵を作ったのが龍蔵寺の始まりとあります。お念仏を唱え続けること7日目に女性が現れ、改心して十念を授けて欲しいというので十念を授ける(ある種の呪文のようなもの)と、全長が300mもある白龍に姿を変えて消え去ったということになっています。

小説的に想像を膨らませると、鬼島はきっと古い悪所に違いなく、よからぬ者どもが集まって周辺住民は困り果てていた。そこに通りすがった教蔵上人に、「あんたの師匠(教蔵上人は法然上人の五世代ほど下った弟子)は遊女も阿弥陀様の本願で救われると言ったそうじゃの。あんたもなんとか説得してやめさせてくださらんか」「う~ん、なんとかやってみましょう」というような会話が交わされ、1週間ほど説得した結果、無事やめさせることに成功した。というようなことではないかと。諏訪神社と龍蔵寺の間には、なぜか数件スナックと居酒屋が軒を並べているのですが、きっとあれはその名残に違いない(住職未確認)、想像が膨らみます。

まんまと出版社の意図に乗ってしまったのですが、おかげで勉強になりました。興味のある方はぜひ。

※なぜあそこにスナックが並んでいるのかご存じ方おられれば、ご一報ください。