奠湯奠茶(てんとう てんさ)

通夜が死者に対して遅ればせながら受戒をさせ、仏弟子、修行者としてあの世に送りだそうという儀式であるのに対し、告別式はまさにその旅立ちの見送りの儀式です。

式の途中で導師は棺桶の窓を閉めて偈文を唱え、再び窓を開けます。 これは人間としての人生を閉じ、仏として再生して送りだす、まさに旅立ちのシーンを再現しているわけです。象徴的であるのが、その後に続く奠湯奠茶で、生きている旅人と同じように、お湯とお茶を振る舞います。(← 時間の関係で割愛することが多く残念なのですが)

このシーンは、あたかも留学に旅立つ子供や親戚を見送るかのようです。そして一人で旅立つのではなく、阿弥陀様に導かれているのだから、修行の成功、成仏は間違いなしということで、私たちは亡くなった方のことを「仏(ほどけ)」と呼ぶわけです。

ですから、仏さんはあの世でゆっくりお休みなんてできません。体も気持ちも元気になって、気持ち晴れ晴れとして、目的地に向かって歩いています。家族からはできる限りの供養、援助もされているわけでたどり着けないはずがありません。

告別式は、そういう前向きな儀式でもあることをお知り頂ければと思います。