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今年もお盆の季節がやって参りました。
お盆は盂蘭盆の省略型で、盂蘭盆はサンスクリットの「ウッランバナ」、逆さ吊りにされる苦しみとされています。地獄で逆さ吊りの罰を受けている母を救う、それがお盆の意味であり由来です。

また他にも、イラン系のソグド人の祖霊祭では死者の霊魂を「ウルヴァン」と呼び、各家ではケヤキ科の枝葉を燃やして家をいぶすと、死者の霊魂はその香りにのって子孫の家に帰ってくるという祭が、中国を経て日本に伝わったという説もあるようです。

数千年も前のインドやイランの行事が、日本に伝わり仏教の行事として続けられていることに驚きますが、それも父母の恩という普遍的な愛をテーマにしているからでしょう。

恩は様々な経典に書かれていますが、『正法念処経』には、母の恩・父の恩・如来の恩・説法法師の恩の四恩が説かれています。この四恩でも特に深いとされるのが父母の恩です。

恩という字は、原因の因という字の下に心を書きます。因を心にとどめるのが恩ということです。恩とは、自分が今ある状態に到るのに、何がなされたのか、その原因を深く考えることです。

逆境にある人には、その理由を他人や社会のせいにして、あいつが悪い、親が悪い、社会が悪いと考える人もいるでしょう。しかしそんな人でも命があるのは父母のお陰ですし、そこに到るには何人もの先生や師、先輩の世話になったはずです。それを忘れてしまっては、まさに生きながらにして餓鬼道に落ちているのと同じです。

人は、一人で生きていくことはできません。また、自分自身の努力や才能だけで、何かをなし得るはずもありません。才能は親の遺伝かたまたまの偶然です。努力といったって、努力ができる環境は自分でつくったものではないでしょう。大いに成功を修めた人でも、それはほとんどが父母の恩や運(如来の恩)、四恩によるものであって、自分の計らいの影響など微々たるものです。そういった中で私達は生きている。むしろそういった力によって生かされているのではないかと思います。