選択とは、すなわちこれ取捨の義なり
世間では、正当の党首選挙であったり、大統領の選挙であったり、これからそれぞれの国をどうするのかという大きな選択が行われようとしています。また、一般の方々にとっても、9月は3月の次ぎに離職者が多く、そういった意味からも選択の季節なのだろうと思います。
娑婆では選択は「せんたく」と読みますが、浄土宗では「せんちゃく」と読みます。
法然上人の書かれた本に「選択本願念仏集」というのがあります。自力か他力か、そういった仏教の教えの二つの側面を比較しながら、阿弥陀様が私たち凡人にとって、どような教えが相応しいかを吟味していく様を描いています。
そしてその中で、選び取ったからにはもう片方はすっぱりと捨て、選んだものをひたすらに信じるよう教えます。
人生は選択の積み重ねです。思い起こすと、あの時の決断、その時の決断が、今の自分を作っていることが分かります。
人は一度選んだとしても、あのときああしていれば、と考えてしまうものです。それを未練や後悔というわけです。
誰もが悔いの無い、未練のない人生を送りたいと思うものですが、選ばなかったものをきっぱりと手放していく、そういったことが悔いのない人生を送るにおいては重要なのだろうと思います。