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またしても熊本で大地震が発生してしまいました。多くの方々が酷暑のなかで苦しまれておられます。心を寄せ、一刻も早い復興をお祈り申し上げます。

埼玉も燃えださんばかりの暑さで、思わず小型の扇風機や扇子を手に取ってしまいます。扇げば涼しい風が吹き、一瞬の心地よさを与えてくれます。僧侶の装束にも扇子はつきものですが、これは扇ぐために持ち歩いているのではありません。我が身を滅ぼす心の中の火、三つの火を吹き消そうという決意のシンボルとして持ち歩いています。

三つの火とは何か?

一つ目は
心の中にあるむさぼり、もっともっと欲しいと、満足しない炎です。

二つ目は、思い通りならないと怒る心です。  自分も周囲も傷つけて焼き尽くす激しい炎です。

最後が心理を知らず、迷い、暗闇に誘い込むうす暗い炎です。

この三つを順に、貪(とん)、瞋(じん)、痴(ち)といいます。

檀一雄の小説で映画にもなった「火宅の人」というのがあります。
主人公の小説家の心、そして家族を燃やしている火こそ、この貪瞋痴の三火です。
火宅とは、家(自分の心)が燃えているにもかかわらず、そのことに気付かず、家の中で遊びほうけている私たち自身を指しています。

お釈迦様は、この火の簡単な消し方を語っています。しかも実に具体的です。

① 動きを止めて、深呼吸する。

② 自分の感情を心で呟く。正しく念ずると書いて 「正念(しょうねん)」といいます。インドの言葉ではサティといいます。大切なことは、感情を客観的に表現することで、私は○○に怒っている。私は○○に怒っている。私は○○に怒っている、と繰り返します。繰り返していくうちに、別の雑念がムクムクとわいてきます。わいてくると、今度は雑念がわいてきている、わいてきている、わいてきている、と繰り返します。

そして最後に、

③それが三毒の火だったと思い出します。正しく見ると書いて、「正見(しょうけん)」といいます。

この三つの実践が、仏道修行の基本の瞑想であり、座禅の元になった修行です。

是非、皆さんも三火に焼かれていると感じた折には試して頂ければと思います。心が落ち着いて酷暑もまた和らぐのではないかと思います。

もし、ちょっと難しそうだな~と思われるなら、これをまとめてできる易しい行が、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、と称えるお念仏です。こちらもまたお試しあれ。