
生死事大 無常迅速 として知られる禅語は、
生死事大(しょうじじだい)
無常迅速(むじょうじんそく)
各宜醒覚(かくぎせいかく)
慎勿放逸(しんもつほういつ)
として、禅寺の板木の脇によく書かれている四句の偈文の一部です。その意味は、
どう生き、どう死ぬか。これほど大事なことはない。
それなのに時間はあっという間に過ぎ去り、ものごとは常に変化してしまう。
だからこそ、各々目をしっかりと開けて、
今日という日をダラダラと過ごしてはならない。
板木とはお寺にある叩いて音を出す半鐘のようなもので、朝の起床時など折り目折り目で音を鳴らして時を知らせます。特に朝一番にはこの偈文を唱えて気合いを入れるわけです。
やはりここで一番重要なのは、無常ということだろうと思います。
常に有り続けるものはなにもない。
私たちも全員、遅かれ早かれ死んで墓の下です。どれほど大事にしていたものも、死ねば捨てられ忘れ去られます。どんなに私やあなたが価値があると思って大切にしてきたものも、他の人はお構いなしです。それが無常というものです。
だからこそこの今を、一瞬一瞬を大切にしなければならない。次の瞬間には失われてしまうかも知れないのだから。「いつか」ではなく、「今、この瞬間」を生き切ることの大切さを、この偈文を教えてくれています。
左の「無常迅速」の墨跡は加須で書道の興隆に尽力した根岸鵞山先生が生前にご寄進されたものです。長く本堂に立てかけられていましたが、数年前に倶会堂の壁に掛けました。もう片側が空いていましたので、お弟子さんの矢島鵞泉先生にお願いして、この度「生死事大」の墨跡を寄進頂きました。改めて御礼申し上げます。