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まずは写真をご覧ください。


お寺での行事や法事で、坊さんの動作や所作をみて、「坊さん、あれ一体何をやってるんだろう?」と思われたことがあると思います。その最たるものがコレではないでしょうか。

お辞儀をするまでは良いのですが、目には見えないお盆を捧げ持つように、手の平を上にして前に突き出す所作です。接足作礼と呼びます。

接足というように、捧げ持とうとしているのはお盆ではなく足。誰の足かというと、仏様の足ということになります。

法事で唱えられるお経は、長いお経の一部分(偈文)を組み合わせたもので、演劇のように構成があります。最初の偈文ではお香を焚いて道場を清め、次の偈文で仏法僧への帰依を誓い、次の偈文で諸仏を請来するという具合です。

偈文の最後には一礼して次の偈文に移るのですが、偈文の内容によって一礼の作法に差を付けています。一等上が五体投地接足作礼(上品の礼)で、次が長跪礼(中品の礼)、最後が普通のお辞儀で下品の礼です。
この上品と中品の最後に行う所作が接足作礼という動作です。上品の礼を
五体投地接足作礼というように、これは五体投地を儀式に取り入れたものです。

五体投地はこちら ↓ 

五体とは両手両足に胴体のことで、古代インドではそれを地面に投げ出して頭の先を地面に付け 最上級の敬意を表しました。さらに両手で相手の足先を手に取り額に接触させることで、その人や佛への最大限の帰依を表します。動画は五体投地しながらおこなう聖地巡礼の様子です。延々とこれを繰り返すので最後の接足作礼部分が略されていますが、 あれを座りながらなんとかやろうとすると。一番上の写真のようになるというわけです。

座って行う儀式では、儀式の見栄え上、長跪礼 (中品の礼)が中心で、 五体投地接足作礼(上品の礼)はあまり行いませんが、本堂での法事の場合は始めと終わりに五体投地接足作礼を行います。

法事や葬儀で、なにやらお辞儀をして手を前に伸ばしていたら、それは佛への最上級の敬意を表しているのだとご理解頂ければと思います。