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キリストの誕生日を皆さんはご存じでしょうか?

12月25日のクリスマスだと思っておられる方が多いかと思いますが、この日はキリストの誕生を祝う日であって、誕生日ではありません。キリストの誕生日には諸説あり定まっていません。生まれたときの聖書の描写から4月説も有力です。

では、お釈迦様の誕生日は?
実はお釈迦様も4月生まれです。2567年前の4月8日のことです。

仏教国のタイでは西暦の代わりにお釈迦様の誕生を元年とする仏紀を用いています。日本でも国民の7割が何らかの形でお寺とご縁があるといわれていますから仏教国といってもよいと思いますが、残念ながら西暦が主流です。元号もありますし、皇紀もありますから、少々ややこしのかもしれません。

龍蔵寺では、旧暦の4月、5月8日を含むゴールデンウイークにお釈迦様の誕生をお祝いしています。

2500年前にお釈迦様が誕生しなければ、現在世界中にあるお寺も、文学も、仏教思想が色濃い源氏物語も存在しないわけです。まさにお釈迦様一人の誕生が世界を変えたわけです。

では、お釈迦様の教えの何が画期的であったのか?

それ以前の宗教、あるいは習俗では、何か良からぬことがあれば、それは悪霊であるとか、怨霊であるとか、正体が分からない何かが影響を与えているのだと考えました。ですから、不幸や悲しみに打ち勝つには、悪霊や怨霊を撥ねのける、強い力を得ればよい、ということになり、スーパーマンになろうと苦しい修行に取り組んだのです。

ところがお釈迦さんは、それでは問題は解決しない、断言されたのです。

お釈迦様の教えが画期的でだったのは、原因を悪霊であるとか、他人であるとか、他にあるのではなく、自分が作り出した世界にあることに気づき、それを変えることで平安に至れると論理的に説明されました。そしてそれはスーパーマンでなくても、誰でもができる道だったわけです。

そして時代は下り、日本の平安末期、お釈迦様が説かれた道さえも、戦乱の時代を生きる平凡な我々からすれば、それはスーパーマンを目指すも同じと、阿弥陀様の本願にすがる浄土宗を開かれたのが法然上人でした。

こう書くと、お釈迦様の教えと法然上人の教えは、全く違う、換骨奪胎されたように見えます。しかし法然上人が薦めた念仏三昧を実践してみると、それはお釈迦様の教えと寸分違わないことが分かります。阿弥陀仏による救済という姿を取ることで、目標を身近にたぐり寄せることで、より多くのひとがお釈迦様の教えにより救われることに成功したわけです。

今日は、そのように世界を変えられたお釈迦様の誕生日です。来月には飾り付けも用意されていますので、お時間ありましたら是非お参りください。