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毎年のことで恐縮ですが、3月なのでお彼岸の話です。昼と夜の長さが同じになるこの時期は、あの世とこの世が最も近づくとされ、あの世を意味するかの岸、彼岸と呼ばれるようになります。阿弥陀様の浄土は西の方にあるとされ、阿弥陀様を本尊とする浄土宗の本堂は、東を向き、阿弥陀様も西からやってくられるお姿で東を向いています。ですので、朝は朝日を受けて、夕方は後光を受けて神々しいお姿となります。

本堂に裏に回って頂けますと、何もないところに木戸がついています。考現学のトマソンのようですが、これは西日を本堂に入れて後光を演出する舞台装置です。

阿弥陀様は、私の名を呼ぶ者は全て救う、という約束、願を立て成就されてた仏様です。その約束を果たすため、西からやってこられるお姿がこのご本尊様のお姿です。それを前にして名前を呼ぶ行為が南無阿弥陀仏唱えることに他なりません。

信じて唱えることができれば必ず救われる。どんな人でも救われる。それが全ての経典を何度も読んで、ついに法然上人がたどりついた究極の真理なのです。ですからこの「信」は生半可ではない、心の底からの「信」なのです。

現生十種益は、親鸞聖人が唱えた、この「信」じる心を持つことによるこの世の利益を、十にまとめたものです。わゆる現生利益なのですが、お金持ちになるとか、健康になるとか、出世するとか、学校に合格するとか、そういう利益は一つも出てきません。言うならば、迷いがなく安らかで、良き人になることができる。ただそれだけではあるのですが、それ以上に何が必要なのか? と親鸞聖人は問いかけているのではないかと思います。

①諸天善神に護られること
②優れた徳が身に備わること
③悪を善に転じ変えることができるようになること
④諸仏に護りたいと思われること
⑤諸仏に讃えられること
⑥仏心の光に常に護られること
⑦心に喜びが多いこと
⑧恩を知ってその徳に報いること
⑨常に慈悲深い行いができるようになること
⑩必ず極楽浄土に生まれ変われること

重子奥様が愛された早咲きの桜が今年も咲きました。