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新年明けましておめでとうございます。
昨年来のコロナ禍が収まりませんが、無事過ごされている方も、色々なご苦労をされている方も、本年がより良い年になりますよう、お祈り申しあげます。

長老が好きで、しばらく本堂にも掛けていた言葉に

幸福が訪れたらそれを楽しめ。
不幸が訪れたらそれに耐えよ。
耕作者が作物の収穫期を待つように、
時が至るのを待つべきである。 
     『マハーバーラタ』(3・245・15)

マハーバーラタはヒンドゥー教の重要経典の一つで、世界三大叙事詩の一つとされる聖典です。マハーはマハトマ・ガンジーのマハと同じで偉大なという形容詞。バーラタはインドを統一した部族名で、この聖典はバーラタ族の内部抗争をテーマに、生き方や宗教的な教えを叙事詩の形式で伝えています。

幸不幸は人の世の常であり、不幸があるからこそ幸福もあるわけです。
そう考えると不幸な時期は、幸福をえるための耕作の期間であり、嘆いたり焦ったりする必要はなく、時が至るのを待つことの重要性を教えてくれてます。

耕作のあり方は人それぞれであろうかと思いますが、いずれは時が至り、実を結ぶと信じ、時として御仏の力も借りながら、乗り越えていきたいものです。

龍蔵寺 住職  高口洋瑞
合掌