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昨年、本堂の片付けをしているときに、ばらばらになって半ば朽ちた状態の百万遍大念珠を見つけました。百万遍念仏というのは、極楽往生、先亡追善、攘災招福を願い集まり、百万回のお念仏を称える修行です。その際に繰り回し使用されるのがこの大念珠です。

長老の聞くとこの数珠には見覚えがないとのこと。捨てるのも忍びないので、洗って修理することにしました。

親玉には、増上寺七十八世の銘が見え、主玉の一つ一つには、おそらく寄付をしたであろうご先祖様の名前が彫られています。

調べると増上寺78世は山下現有上人で、増上寺で二度法主を務め、百万遍知恩寺や知恩院門跡も務め、明治の混乱期に浄土宗を建て直したと言っても過言ではない偉大な先人であることが分かりました。

この山下上人が78世として増上寺の法主を務めていたのは、明治30年(1897)~35年(1902)で、おそらくこの大念珠もその頃に作られたものではないかと思います。

しばらく倶会堂に飾っておきますので、ぜひ120年前のご先祖様の名前を探してみてください。

ちなみに龍蔵寺には20年ほど前にも大念珠を発願し、一揃えご寄進頂いています。いつか百万遍念仏を修しいずれも活かしたいと思っています。

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