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さる9月19日(日)に、本堂にて大施餓鬼会を執り行いました。コロナ流行下にもかかわらず、40名ほどの檀信徒が参列され、8月から木札にて供養された檀信徒の名前を読み上げ、共に祈り供養することができました。

お施餓鬼は、自身の健康長寿を願う儀式です。

餓鬼陀羅尼経には、お釈迦様の弟子の阿難のところに焔口という餓鬼が現れ、「おまえは三日後に命がつき、餓鬼の世界に堕ちる」と脅かします。何故命が尽きるのか、お経に理由は書かれていません。誰しもに起こりうる突然の不幸、あるいはまさに感染症のような病気だったのかも知れません。いずれにせよ本人には身に覚えのない、何かの因縁による宣告に阿難はびっくりします。続けて焔口は救われる方法も説明します。翌日までに、何億という餓鬼、十万人のバラモンに対して、インドのマガダ国のハカリで一人あたり一杯の食べものの供養をし、三宝を供養すれば、私は餓鬼道を離れて天上に生まれ変わることができ、お前も救われると言います。これはもう無理難題です。

阿難は急ぎお釈迦様の所に向かい、どうすれば良いかと尋ねます。お釈迦様は、米一粒が何倍にもなる陀羅尼、のうまくさらば・・・で始まる呪文を教え、仏を供養すれば、米一粒が何万倍にもなり、すべての餓鬼・バラモンを供養することができ、お前も救われると教えます。

この教えは、自分で直接布施をすることの限界と、佛を供養することの効用を伝えようとしているのだと思います。それだけお寺や教団が、人々の幸せに貢献していた証であろうと思います。

さて式中、
「汝ら集まりし餓鬼どもよ、今我汝らに供養せん。この食をあまねく世界にいき渡らせ、すべての餓鬼に供養せん。」と偈文をとなえ、お米を境内に撒くシーンがあります。(最後の写真)

そこには何百もの餓鬼たちが集まって供養を待っている。そんな思いで、撒いたのですが、皆様には伝わったでしょうか。


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