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先日檀家さんから、ホームページを楽しみにしています。
と声をかけて頂きました。とても嬉しくお礼を申し上げました。
そういうお声、励みになりますのでぜひお聞かせください。

何回か前のコラムで四恩について書きました。因を心にとどめるのが恩である。という説明は、私的にも腑に落ちて常々思い返しています。先日、本を読んでいますと、次のような文章を見つけました。

心理学のある調査で、人間関係の貸し借りを調査したところ、「貸し」は「借り」の35倍も記憶されているというものでした。「貸し」た人がいれば「借り」た人が必ずいるはずで、大人数を調べれば貸し借りは同じになるはずです。ところが人は「貸し」は忘れないが「借り」はどんどん忘れてしまう。その結果がこの35倍という数字になったわけです。

「借り」は人に受けた恩ともいえるわけで、この調査は人がいかに恩を忘れやすく、恩知らずな生き物であるかを表しています。「貸し」た人は忘れず、「借り」た人を恩知らずとなじるわけですが、それは人間がそういうものなのだから、怒っても仕方のないもの、自分もそうなのだからと理解すべきかもしれません。

それでも納得できない方は、返されない「貸し」を仏さんへの貸し、「貸し」というと少々下品ですので、喜捨だと思われてはどうでしょうか。喜捨は仏への供養を通じ、徳を積む修行ですが、「良き」行いがいずれ回りまわって自分に帰ってくるという考えでもあります。特定の相手への貸しと考えると、忘れられると憎々しいものですが、喜捨する機会が与えられたのだ、と思えば心も軽くなるものです。

何かの時には思い出して頂ければ。

合掌