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いく分暑さも和らいできました。

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、どれほど暑かった夏も9月の半ばには涼しくなってきます。このような季節の変化を観察しますと、諸行無常を感じずにはおれません。

諸行無常は、常に変化し続けるこの世の中の真理を、お釈迦様なりに解釈された言葉です。お釈迦様は、この真理を理解せず、変化しないとを期待するところに苦しみが生じるとしました。

その最たるものが人間の生であり死です。生き続けたい、年を取りたくない、死に無くない。いずれも無理な願望なのですが、人は願わずにはおれません。一方で人もまた無常であるが故に、自分が変わることで苦しみから脱することができます。

他が変わることを期待せず、願わず、自分が変わる。成長する。
そのことを目指すのが仏教の生き方であり、修行ということになります。

仏教の修行では、自分でどうすることもできない未来や過去は重要視しません。今を精一杯生きる方法を考えます。今という瞬間もまた、中途半端な今ではありません。今という瞬間もじっくり観察して可能な限り分割して細分化していく。細分化仕切れない時間の長さ、それは意識の移ろいのそのものであるわけですが、このもうどうしようもない短い時間を「刹那」と言います。この一刹那という時間さえ無駄にせず、精一杯生きようとするのが仏教の修行です。

現代では「刹那的に生きる」というと、投げやりな生き方のように使われますが決してそうではなく、過去や未来に捕らわれず、その一瞬を真剣に生きるということなのです。