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勝利からは怨みが生じ、敗れた者は苦しんで暮らす。勝敗を捨てて、やすらぎに帰した人は、安楽に暮らす。

人は怒らないことによって怒りに勝ち、善によって悪に勝ち、与えることによって物惜しみに勝ち、真実によって虚偽に勝て。

(ダンマパダ)

人はさまざまなものに苦しめられます。苦しみから逃れようと四苦八苦してしまいます。そのためには、時には人を傷つけることさえ厭いません。釈迦は苦しみから逃れる方法を実践的に人々に説きましたが、現代社会からみれば、反社会的とさえ思えることもあります。

安楽に暮らそうと思えば、競争をしなければよい。競争をするから怨みや悲しみがおこるとして、競争から降りることを勧めます。
怒りには、それを乗り越えるようなことは勧めず、怒らないことを勧めます。
独占よりもシェアを求めます。

釈迦は苦しみの原因を、貪り(必要以上に求める心)、怒り(瞋恚)、無知の心(愚癡)であるとしました。これを三つの毒、三毒といい、略して貪瞋癡(とん・じん・ち)といっています。なかでも、無知であるが故に貪りがおき、怒りがおこると、三毒の連鎖の根本を無知であると説明しています。無知が求める知識はこの世の中の知識や常識ではなく、智慧、世界の仕組みを支配する法(ダルマ)のことです。

今の世の中、競争は発展の源泉のようにとらえられています。たしかのそうかも知れません。競争した方が目的地には早く着きます。では目的地に早く着くことで人々が幸せになれるのでしょうか。このような省察の先にある法を、釈迦はこのように言い表したのだと思います。

合掌