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昨年から、法事で一枚起請文という法然上人のご遺言を読むようにしています。書かれたのは建暦二年、1月23日、ちょうど今から800年前です。法然上人はこれを書かれた二日後にお亡くなりなられました。今年は800年の法事(遠忌)が執り行われます。

法然上人は、比叡山でも知恵一番と言われ、当時最高の知識人と見なされていました。その法然上人が最後にたどり着いた境地、それが一枚起請文ということになります。
この短い文章には二つの大事なことが書かれていると私は考えています。
一つ目は、極楽に往生するには、いろいろと仏の教えを勉強する必要はなく、ただ阿弥陀仏の力を信じて南無阿弥陀仏と唱えればよいということ。戦乱の時代に救われる道はこれしかないと、この方法を選択された訳です。これは信仰を持つというに他なりません。非常に簡単ではありますが、逆に現代ではこれこそが難しい。
もう一つはこの文章の後に続きます。 
往生するには三心四修という仏教者が備えるべき三つの心持ちと四つの態度が必要とされていますが、南無阿弥陀仏と唱えるうちにそれらも自然と備わってくる、と。
三心四修については詳しく述べませんが、わたしはこれを、よりよい人間になることだと解釈しています。
南無阿弥陀仏という言葉を口にする、そのこと自体にすでに信仰の告白ともとれますが、もっと大事なのはよりよい人間になりたいという宣言、意志の告白のように思うのです。 
この念仏を唱えることに不思議な力があるのか、あるいは自己暗示によるものなのか、わたしはどちらでも構わないと思いますが、800年にわたりそれは効果があると認められ、だからこそ続いてきたのだと思います。
いのちが改まるこの新年に際し、よりよい人間になりたいという誓いを新たにするのも良いのではないでしょうか。 
 合掌

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