仏教徒のクリスマス

大イチョウの葉もすっかり落ちきってしまいました。

今年もいよいよ残りわずかとなってしまいました。
龍蔵寺での見習いもはや二ヶ月、まだまだ勝手が分からずご迷惑をおかけしますが、来年もよろしくお願い申し上げます。

この時期、お寺関係者とはいえ意識せざるを得ないイベントといえばクリスマスです。私はお寺生まれお寺育ちですが、幼い頃は両親もクリスマスプレゼントを用意してくれていました。しかし、父からある年突然「お寺ではクリスマスは祝わない」と宣言され、その年からプレゼントもなくなり、その理不尽さに大きなショックを受けたことを鮮明に憶えています。お寺育ち「あるある」な話なのですが、しばらく不貞腐れていたのを覚えております。

そんなことから、仏教でもキリスト教のクリスマスのようにプレゼントを贈りあうイベントを作れば良いのではないかと常々考えています。そもそもクリスマスでプレゼントを贈りあう宗教的意味合いは、一説によるとイエス誕生を祝福しにやってきた「東方の三賢者」が贈り物を捧げたことに由来します。今日ではイエスにプレゼントすることはもうできないので、代わりに誰か身近な大切な人にプレゼントを贈る習慣へと変わっていったようです。

教祖へ贈り物を捧げるという話では、仏教にも「スジャータの乳粥供養」というのがあります。お釈迦様は六年にわたる苦行によって心身ともに疲れ果ててしまうのですが、その時にスジャータという村娘から施された乳粥によって命を救われ、釈尊は悟りを得ることができました。お釈迦様が悟りを得た日は日本では12月8日とされ、その日には多くのお寺で「成道会」という法要が行われます。旧暦の12月8日は今年の暦でいえば来年の1月2日です。数日を一週間程度と考えれば、お釈迦様がスジャータと出会ったのはクリスマスとほぼ同じ時期と考えることもできそうです。クリスマスにしても、イエスの本当の誕生日はよく分かっておらず、その誕生に再生の意味を持たせるため、冬至のお祭りに合わせたという説もあり、少しいい加減な話でもあります。

東方の三賢者がイエスにプレゼントを贈ったことと、スジャータがお釈迦様に乳粥を施したことには、どちらも共通して大切な人へ祝福と感謝の思いがあります。違いがあるとすれば、贈る相手が神か仏か、ただそれだけです。一年間一生懸命頑張った大切な人へ感謝の思いを伝えるのは、気恥ずかしくもありなかなかできませんが、私たちの思っている以上に大切なことなのだと思います。仏教徒だからクリスマスではプレゼントを贈れないであれば、仏教徒ならではの理由を付ければ良いのではないでしょうか。大切な人を思う気持ちに、宗教の違いは関係ありません。クリスマスムードに乗じて仏教徒はこの時期、スジャータの施しを祝福し、プレゼントを交換し、乳粥を食そうではありませんか。インドでの乳粥はご飯とミルクをカルダモンやレーズンで甘く煮たおやつとしても人気の食べ物です。食後のコーヒーにはスジャータを入れて。

※コーヒーフレッシュの「スジャータ」はこの話に由来します。


< 12月26日追記 >


有言実行ということで、25日に乳粥を作ってみました。
材料等はいろいろなレシピ掲載サイトを参考にし、以下の通りで。

材料
・牛乳 500 ml
・米 60cc
・砂糖 小さじ1杯
・カルダモン 目分量
・ドライフルーツミックス 適当
・セブンイレブンのミックスナッツ 適当
・バナナチップス 適当

メジャーな料理ではないためか、米や牛乳の分量はレシピ掲載サイトによってまちまちで、「だいたいこの程度でよかろう」という感じで決めました。レーズンなどのドライフルーツと ナッツ系、風味づけにカルダモンを入れるのが主流みたいで、バナナチップスは完全に私の好みで入れてみました。「the 男の料理」という感じでかなり大雑把に作っています。

味の方は、 ドライフルーツをたくさん入れたため「フルグラ」のお粥バージョンみたいな味で、 悪くはありませんでした。デザートというよりも朝食向けな仕上がりに。デザート向けにする場合は、砂糖を多くしたり、はちみつ等の甘味を増やした方が良かったのかもしれません。しかし、あまり味の派手さを追求すると今度は乳粥独特な素朴さがなくなってしまうので、色々と考える余地がありそうです。