木製の卒塔婆の原型ともいえる石製の碑文。関東では良質の石がとれたこともあり、板碑として広く分布しています。作られたのは鎌倉時代から室町時代の初期にかけて。
龍蔵寺にもいくつかの板碑が伝わっています。
今回発掘したのは、在野の板碑研究者、野口達郎氏とFacebookで知り合い、こういうのもありますよ、と知らせたところ、それは未確認板碑かもしれないということで、今回の掘り出しの運びとなりました。聞くと長老とは中学生ごろからの知り合いで、加須市史の載る龍蔵寺の拓本も野口氏が若かりし頃に採ったものとのこと。
この板碑は庫裏の裏に半分埋もれかけていたもので、長老曰く、廃寺となった近くの高徳寺のものではないかと。高徳寺は寺の北側のバイパスの向こう側にあった寺で、板碑が一部残るが、大部分が宅地になっている。境内が整理されるときにあった板碑が龍蔵寺に持ち込まれたか、そのような事だろうと推測はできるのだが、残念ながら定かではない。
古い板碑は鎌倉時代初期に作られたもので、龍蔵寺よりも古いということになる。
さて、庫裏の裏でまずは植木屋さんの若い衆にも手伝ってもらって発掘作業。
水で綺麗に洗って、碑文を読み取るのだが、古いとなかなか読み取りづらい。
いい感じに日の光を当てて、陰影を出して撮影。どうやら古い部類らしい。野口さん楽しそう!
元々ある板碑も含め、拓本を採ってくれるとのこと。
折角なので、掛け軸にして披露したいと思います。乞うご期待。