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生まれによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。
行為によって賤しい人ともなり、行為によってはバラモンともなる。
(スッタニパータ)

インドにはカーストと呼ばれる身分制度が今も残っています。カーストという言葉は実はポストガル語で、インドの言葉では「ヴァルナ」と呼びます。インド独立時に法律で廃止されましたが、現在も習俗として色濃くインド社会に影を落としています。

お釈迦様が活躍された当時、すでにカーストは存在し、「ブラフマン(バラモン)」「クシャトリア」「ヴァイシャ」「スードラ」の四身分と、これに属さない「アチュート(不可触賎民。触れるのも穢らわしいとされた。彼らは自分自身のことをダリット(壊された民)と呼ぶことを好むようです」に分かれていました。

お釈迦様自身は、王族、クシャトリアの出身でしたが、教えの中でも、また彼の教団の中でも、カーストによる区別はせずに明確に差別を否定されました。それは当時においては画期的なことでした。

インドでは、今だにカーストからくる差別意識からおきる犯罪が後を絶ちません。おおくの女性、特にダリットの女性が暴力や強姦の被害にあっているのは、このところニュースでも取り上げられるようになり、世界中に広く知られるようになりました。

このような差別意識は遠い異国の話と思われるかも知れませんが、似たような意思は日本人の中にも潜んでいます。このところ連続して起きた日本のトップレベル大学学生の女性に対するひどい行い。民族的な意識に根ざすもの。ジェンダーに関するもの。背景は異なるにせよ暗い差別意識が我々の中にも潜んでいます。

生まれによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。
行為によって賤しい人ともなり、行為によってはバラモンともなる。

というお釈迦様の言葉を胸に、毎日を生きたいものです。

合掌