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卒業計画の審査が無事終了しました。

早稲田の卒業計画は3人によるグループ設計なのだが、今のような形になったのは2005年なのでようやく今年で8年目。総評で古谷先生が仰ったように、平均は上がっているのですが、上位層が下がっているのが目下の悩み。
審査会は一人7分という短い持ち時間の中で、3人で分担して発表し質疑も行われます。あくまでも審査のやりとりなので、教員側も批評はせずに質問に徹します。つまり聞くのは「なぜ?」という一点です。
今年は変わったなあと思うのは、テーマ設定で青っぽいのが少なくなり、破綻しているチームがほとんど無かったことです。良いテーマ設定のチームが非常に多い。一方、その答えである設計で、「なぜ?」こういう設計になったのか、説明不足のチームが多い。「なぜ?」と聞くと答えられずに減点されてしまうチームが多い。
グループ設計では論理が大事です。論理が理解と合意の基盤だからです。チーム内での「なぜ?」の繰り返しが圧倒的に不足しているように思います。お互いが使っている言葉からはじめ、少しでも訳が分からなければ「それ、どういう意味?」と繰り返し繰り返し確認して進めなければよい設計にはなりません。
プレゼンでは、こちらの期待(高口の)としては
1.テーマ設定 2割
2.敷地選定理由 1割
3.平面計画  3割
4.ファザード計画 2割
5.材料や構造、設備技術 2割
という位の割合で発表してくれたら良いのになあ。
と思うのですが、実際はテーマと敷地で6割、技術で2割。平面やファザードについては2割も無いという発表も結構あります。そういうグループには、質問のしようがないので、平面図を指し示しながら、どういう設計をしたのか説明してくれと助け船を出すのですが、これを活かすグループがまた少ない。こちらとしては、「こういうことを意図して、こういう部屋・空間の配置になっています」とか、「こういう空間を演出したいと思い、こうなっています。パースはこちらです」とか、そういう説明を求めているのですが、なかなか返ってこない。
昨年までは、こりゃ教員が何とかしないと・・・・
審査の終了後にはそういう反省があちらこちらで聞こえましたが、今年はそういう声はありませんでした。課題がテーマ設定ではなく、設計のプログラムミングとデザインのステージへの移ったからなのですが、これに対してカリキュラムとしてどう対応するか、難しいところです。
備忘録としてのプレゼン対応策のアイデア
計画系が最初の1~4を説明するというスタイルが良くない。
工学系の学生ともう一人で1,2,5を90秒で説明。メインの計画系の学生が3,4を90秒で発表する。こういう役割分担にすれば、もっとスムーズに行くのではないか?
(最期に)
面白いなあ~ と思うデザインには、どこかに論理の飛躍があるものです。
論理の延長線上にあるデザインは、予想できてしまうので良くできてはいても、面白くないわけです。しかし、論理の飛躍は、なかなか理解できないのでグループ設計ではそれを完成させることがなかなか難しい。それを埋めるの情熱でしか無いのかなあ。じつは形になってしまえば、それを論理の上にどう位置づけるかはそれほど難しくない。その時間が取れれば素晴らしい卒計になると思うのです。

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