
禅宗の経典、禅林句集の一句で、
せいざんもとふどう
はくうんおのずからきょらいす
と読みます。
泰然自若とした大きな山の頂きに、白い雲が湧き出ては消え去っていく。
そんな初夏の美しい情景が思い浮かびます。
青山は物事の本質、あるいは死に場所という意味で、変わらない不変の心理、仏性を象徴し、
白い雲は、妄想や煩悩など、心の迷いを表しています。
雲のように次々と涌き起こっては変化する自分の心に惑わされることなく、
一方でその奥底にある仏性や本望を観察して気付くことの大切さを表しています。
新型コロナ感染症の流行もどうやら治まりそうで、街中からもウキウキとした様子、活気が感じられるようになりました。しかし感染者数を見ると、減ったようで昨年の夏に緊急事態宣言を出したときと大差ありません。死亡者数は減りましたが、それでも昨年の夏の半分程度です。
慣れと反動は、まさに青山に涌き起こる白雲のようです。いたずらに恐れる時期は過ぎたと思いますが、改めて何か青山かを見極める時期にきているように思います。
合掌 住職
※ 境内もあじさいが咲き出すようになりました。剪定の仕方が悪かったのか、蕾の付きが例年よりも少し悪いようです。見頃は短いも知れません。ご容赦ください。