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新春の候、檀信徒の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 

テレビのコロナ報道には治まる気配がありませんが、道行く人やお店の様子を見ますと、庶民のレベルではしなやかに、したたかに、受け流して乗り越えつつあるように思います。

コロナが収束に向かう一方で、ウクライナでの戦争は出口が見えず、日本とは比較にならない厳しい冬を迎えようとしています。一日も早い終結を願います。

お釈迦様が生きた時代も、コーサラ国とマカダ国が対立して戦争も多く、お釈迦様が王子であったシャカ国(お釈迦様は釈迦牟尼佛の略ですが、元はシャカ族の偉大な聖者、というような意味)、存命中にコーサラ国に滅ぼされています。そのようなことがあった上での教えとして、法句経には次のような文句が伝わっています。

彼は私をののしった、私を打った、私を打ち破った、私のものを奪った、 このような考えを持つものには、恨みは決してやまない。

彼は私をののしった、私を打った、私を打ち破った、私のものを奪った、 このような考えを持たぬものには、恨みはやむ。

いかなる時にも、この世では、恨みは恨みによって静まることはない、恨みなきによってこそ恨みは静まる、これは永遠の真理である。

お釈迦様は個人間の暴力は自我と自我の衝突によって起こり、国家間の争いもその延長上の集団的自我の衝突によって起こると考えました。きれい事と思われるかもしれませんが、争いを止める唯一の方法は、争いを否定することしかありません。仏の観点からいえば、あらゆる暴力に善し悪しはなく、悪であり罪であり懺悔すべきものです。私たちにできるのは、一人ひとりが自我にとらわれずに、悪を成さないようにすることしかありません。

令和五年が皆様にとってより一層の成長の年となりますように。

合掌 住職