お仏壇はご家庭における仏の礼拝空間です。もともとは貴族や武士、富裕な商人などが、持仏堂として自分専用の礼拝施設を自宅の敷地内に設けたものが、庶民に広がるにつれ、小型化され仏間、仏壇として定着しました。その過程で、先祖の魂を迎えたり、祀ったりする空間が一緒になり、仏様とご先祖様(お位牌)を祀る現在の仏壇となりました。
檀信徒の仏壇の必須アイテム、余裕があれば整えたいものは次のようになります。
① 必須アイテム
- 浄土宗のご本尊である阿弥陀様の仏像、仏画。もしくは「南無阿弥陀仏」と書かれた掛け軸など。
- 蝋燭を灯す燭台、線香を立てるための香炉。
最小限これだけあれば、蝋燭を灯して線香を焚き、少し心を整えて念仏を唱える用意となるのではないでしょうか。蝋燭は悪を厄払い、お線香の香り・煙は邪心を清めます。位牌は空いた所に丁寧に安置します。
阿弥陀様が安置される空間は、西方極楽浄土のメタファーでもあります。なるべく明るく荘厳に整えたいものです。仏壇のスタイルには、漆塗りに金箔を合わせた金仏壇や、シンプルな唐木仏壇、また現代的なデザインのものまで様々ありますが、好みやスペースに合わせてご用意されれば良いと思います。
時間があれば花瓶に生花を生け、お仏飯や茶湯をお供えしましょう。固くなったご飯は、庭にまいて(もちろん可能であればですが)鳥や虫への施しとします。朝には仏様に供養し、夕方には植えた動物に施す(餓鬼に施しを行う施餓鬼の代わり)ことで善行を行う修行となっているわけです。
(浄土宗HPより)
② 脇侍
阿弥陀仏の従者ともいえる脇侍は観音菩薩と勢至菩薩です。空間に余裕があれば、向かって右側に観音菩薩、左側に勢至菩薩を安置します。観音菩薩は現世の人を救う慈悲の心、勢至菩薩は智慧のシンボルです。この二仏と阿弥陀仏で阿弥陀三尊といいます。浄土宗ではこのセットが定番ですが、龍蔵寺では勢至菩薩がおられず、代わりに地蔵菩薩が本堂には安置されています。地蔵菩薩は仏に成れるのに、現世に留まり人々を救うと誓ったため、他の菩薩と異なりお坊さんの格好をしています。不信心で地獄に落ちたもの、親より先に亡くなった子供を賽の河原から救う菩薩として大変人気があります。
さて、絵のなかでその両脇に安置されているのが法然上人(右側・円光大師と表記)と善導大師(左側)です。このお二人は仏様ではありませんが、浄土宗祖として、またその回心に大きな影響を与えたお方として善導大師を大切にお祀りしています。