TEL:0480-61-0850
FAX:0480-62-7900
Mail:info@ryuzoji.jp

お盆とお施餓鬼

お盆の行事は『盂蘭盆経』というお経に、施餓鬼という行事は『救抜焔口餓鬼陀羅尼経』というお経に基づいたもので、本来は別の行事でした。しかし、時の流れと共に、両者はワンセットの行事になっていったように思われます。このことは周囲の寺が、宗派を越え、二つの行事を八月頃に行っていることによっても知ることができます。

では、二つの行事とはどのようなもので、なぜワンセットになったかその理由を考えてみたいと思います。

お盆の行事は先祖の供養と思っている方が多いかと思いますが、正確には無くなった父母の子供への愛情と、子供に父母への恩を知らせる行事です。

『盂蘭盆経』には目蓮の母親が餓鬼の世界に堕ち、苦しんでいることが説かれています。その苦しみはさかさに吊されている苦しみ、インドの言葉では盂蘭盆で、そこからお盆という言葉が出てきています。では、なぜ、目蓮の母親、それはすべての親に通ずることですが、餓鬼の世界に堕ちたかといえば、「わが子、わが子」という愛情が、すべてに等しく愛情をそそぐ仏の目からすれば、慳貪(物惜しみ)の罪にあたったからで、その結果、ものの得られない餓鬼の世界に堕ち、苦しむことになったわけです。

しかし、親の「わが子、わが子」の愛情があったからこそ、私たち子供は健康で、立派に育ったわけです。お盆のお経は、母の苦しむ姿により、親の子供の愛情、あるいは親の恩を感動的に教えたものなのです。

施餓鬼のお経にはこんなことが説かれています。お釈迦様の弟子の阿難のところに焔口という餓鬼が現れ、「あなたは三日後に命がつき、餓鬼の世界に堕ちる」といいます。驚いた阿難はどうしたら良いかと尋ねると、餓鬼への施しと仏への供養をすれば、命はのび、救われると教えられ、行ったのが施餓鬼なのです。

お盆も施餓鬼も実は両者とも、餓鬼を救うということをテーマとしています。ただ、前者は父母、先祖を救うことを、後者が自分の命が救われるというところに視点があるということです。このところから、やがて餓鬼に施し、仏を供養すれば、父母や先祖の救いと自分の命の延命が実現できるという考えが生まれ、ワンセットの夏の行事が生まれてきたものと思うのです。

住職  合掌


8 Comments

平成25年度 お施餓鬼のご案内 | · 2013年6月30日 at 22:02

[…] お施餓鬼は本来、自らの救済を願う行事ですが、お盆の時期と重ねることで、父母やご先祖様の救済も併せて願う行事として親しまれてきました。(詳しくはこちらをご参照ください) […]

お盆(盂蘭盆)のこと | · 2013年8月4日 at 16:13

[…] さて、お盆の時期のもう一つの行事として、お施餓鬼があります。 お盆とお施餓鬼は本来別の行事ですが、餓鬼つながりで同時期に行われることが多いようです。 これらがどう違うのかなど、詳しくはこちらをご覧下さい。 […]

平成27年度 お施餓鬼のご案内 · 2015年4月26日 at 23:13

[…] お盆・お施餓鬼の由来については、こちらをご覧ください。 […]

お盆 迎え日 · 2015年8月13日 at 08:38

[…] お盆の迎え日となりました。 お寺では朝5時から迎え火を用意しています。 お盆の由来は、このHPでも何度か説明していますが、父母への謝恩を改めて願う行事です。同時期に行わせる施餓鬼は、自身の健康と長寿を願う行事で、本来性格が異なる行事ですが、併せて家族の健康と長寿を祈る機会として頂ければと存じます。 […]

平成27年度 盂蘭盆会ならびに施餓鬼会のご案内 · 2016年6月26日 at 10:26

[…] お盆とお施餓鬼の由来はこちら […]

お盆・お施餓鬼と五如来幡 – 無着山 龍光院 龍蔵寺 · 2017年8月12日 at 15:53

[…] お盆とお施餓鬼のお話は、こちらにもお話がありますので、是非ご一読ください。 […]

平成30年度 お施餓鬼のご案内 – 無着山 龍光院 龍蔵寺 · 2018年6月3日 at 15:04

[…] 平成30年のお盆とお施餓鬼の日程が決まりましたので、ご連絡させて頂きます。 お盆とお施餓鬼は、本来別々のお経に説かれた独立した行事でした。お盆はご先祖様、特に母親の恩に報いる利他行を勧め、お施餓鬼では自らの健康長寿を願います。詳しくはこちらをお読みください。共に餓鬼に施すということが共通しており、いつとはなしに一体として行われるようになりました。 年に一度ではありますが、ご家族ご先祖様の関係、ご恩と向き合う機会として頂ければと存じます。 […]

お盆の入りとTemple Morning – 無着山 龍光院 龍蔵寺 · 2020年8月3日 at 11:17

[…] お盆の由来については、こちらをご覧下さい。 […]

コメントを残す

Avatar placeholder

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください